深夜1時を回るか回らないかの時
すでに森の切れ目から鳴き声が聞こえてきた。
完全に空腹を訴える鳴き声だ。
猫の声は、私は聞き分けることはできない。
だが餌を出すのが遅れた時の
抗議するような鳴き声には聞き覚えがあった。
あのわがままで高慢ちきな鳴き声。
どうやら生きていたようだ。
猫ボランティアさんが
餌の袋をガサガサ振りながら
何度も声かけを行なう。
10分、15分と時間をかけながらだが
なんとか子猫は山小屋に戻ってきた。
キャバクラは扉の外の闇から、子猫がひょいと
小屋の明かりの下に飛び込んできた。
一瞬の目視だが、怪我は無いようだ。
あとで細かく確認をしてもらうが
目立った負傷がなくて何よりだ。
さっそく餌をいつもの皿にカラカラと
入れ始めるボランティアさんに
子猫がまとわりつき始める。
それを見ながら私は、そっと玄関に移動し
大きな音を立てないように玄関を閉めた。
通用扉もぴっちりと閉め終えた。
子猫は、気にもしていないようだった。
食事後、少し遊んでやると
満腹で眠くなったのか
ボランティアさんの腕の中で
ウトウトし始めたので
そのまま静かに猫ケースへ入れ
パチンとフタを閉めた。
午前1時30分。確保、完了だ。